高級シャンパンといえば真っ先に思い浮かぶのが「ドン・ペリニヨン」、普段シャンパンを飲む機会がない方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回はそんな高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」について徹底解説させていただきます。
ドン・ペリニヨンはフランスの有名な老舗のシャンパン「モエ・エ・シャンドン(Moët et Chandon)」で造られているシャンパンの名称です。
名前の由来にもなっている修道士ドン・ピエール・ペリニヨンの「最高のワインを造る」という信念のもと17世紀終わりに誕生しました。
現在でもその意志は引き継がれており、世界中から愛される最高のシャンパンを造り続けています。
ドン・ペリニヨンの始まりは、その名前の由来ともなっているドン・ピエール・ペリニヨン修道士が1668年、オーヴィレール修道院の総督に任命されたことから始まります。
就任してから47年もの間、彼は「世界最高のワイン」を造るという信念を元にワイン造りに尽力しました。
元々ドン・ピエール・ペリニヨン修道士が目指していたことはワインの二次発酵を止めること、つまり泡が立たず、できるだけ安定した白ワインを造りたいというのが当初の目的でした。
シャンパーニュ地方では秋には寒くなるため発酵が停止し、春になると暖かくなることでワインが再発酵してしまうことが多かったそうです。
シャンパーニュ地方といえば北緯49度、日本でいうと樺太付近のような位置になります。
そのため再発酵してしまいやすい白ブドウの栽培ではなく、ピノ・ノワールなどの黒ブドウを栽培しそこから白ワインを造ることを考えます。
黒ブドウから上質な白ワインを造るために、素早く果汁を搾り、色の付いている果皮の部分とできるだけ接触する時間を少なくできるように「圧搾機」を考案し、 熟成する際も樽に比べて空気に触れることが少ないガラス瓶を使用しました。
さらに当時一般的だった、木片に油を染み込ませた麻の縄を巻いた栓から、より気密性が高くなるように「コルク栓」へと変更しました。
実際、彼のブレンドは素晴らしく、評判となりました。
現在でもブレンドする方法は続いており、その点から現在では「シャンパンの祖」と呼ばれています。
これによりドン・ピエール・ペリニヨン修道士が造るワインはフランスで一番有名な白ワインになりましたが、完全に二次発酵を止められたわけではなく10分の1ほどの確率で発泡性のワインができてしまったようです。
皮肉なことに発泡性のない白ワインを造りたかったドン・ピエール・ペリニヨン修道士の意思とは裏腹に、当時高級で生産の少なかった白ワインであることと発泡性のある希少さから、白ワインのシャンパンが貴族たちの間で大流行します。
諸説ありますが、ドン・ピエール・ペリニヨン修道士の功績も相まって、これがシャンパンの起源とされています。
「ドン・ペリニヨン」が初めて商品としてリリースされたのは1936年モエ・エ・シャンドン社からです。
ドン・ピエール・ペリニヨン修道士の死後、その修道院やブドウ園の所有権をモエ・エ・シャンドン社が有することになりました。
そして現在にも引き継がれるシャンパンの製造方法を生み出したドン・ピエール・ペリニヨン修道士に敬意を表して、「ドン・ペリニヨン」とシャンパンの名前が付けられました。
ワインにはノンヴィンテージとヴィンテージものがあり、使用しているブドウの収穫年によって分類されます。
まずノンヴィンテージのワインは味に深みを出したりするために収穫年がバラバラのブドウが使われます。
対してヴィンテージのワインは同じ収穫年のブドウのみを使用して造られます。
1年間に収穫できる量やその年のブドウの出来などの影響を大きく受けるため、ヴィンテージの方が価格が高くなる傾向にあります。
さらにメーカーが特に力を入れて造っているシャンパンは「プレステージシャンパン」と呼ばれます。
ドン・ペリニヨンのラインナップは「ヴィンテージ」のみであり尚且つ、メーカー自信作として売り出している「プレステージシャンパン」でもあるため、それが高価な理由の1つとしてあげられます。
ドン・ペリニヨンの中でも一番スタンダードなラインナップがドン・ペリニヨン ヴィンテージになります。
ヴィンテージオンリーというこだわりからブドウが良質だった年のみに造られており、最新は2015になります。
2015年は気候の振れ幅があり、春は気温が低く、暑い夏が8月末まで長く続き気温差が激しかったおかげで豊潤で香り高いブドウが収穫された年になりました。
7年以上の時間をかけて熟成された味わいは、カカオの香ばしさとジャスミン、ピオニーといった繊細な花の香りがバランスよく混ざり、オレンジや青パパイヤのようなフルーティさも感じられるような味わいになっています。
ドンペリニヨン・ロゼ・ヴィンテージは、ロゼのシャンパンです。
日本では「ピンドン」、「ドンペリ・ピンク」、「ドンペリ・ロゼ」などと呼ばれることが多いです。
詳細なブドウの配合バランスは公表されていませんが、コクのあるピノ・ノワールの特徴がしっかりと表現され、個性豊かな味わいをもたらしており、12年以上の長い月日をかけて熟成され造られます。
プレニチュードというのは熟成という意味です。
つまり、ピークである8年の熟成よりさらに第二のピークを迎えた特別なシャンパンということです。
ドン・ペリニヨンの熟成過程は緩やかな曲線グラフのように周期的に変化し、中でもシャンパンがより強く、高く進化する瞬間のことを「プレニチュード」と呼んでいます。
よってプレニチュード2とは醸造から12~15年以上の熟成を経て、第二のピークを迎えた特別なシャンパンということです。
選ばれた特に良質なブドウのみがこのシャンパンに使われます。
その他にも有名アーティストとコラボした商品が発売されており、常に世界で注目される
トップシャンパンメゾンであり続けています。
最後に
夜の世界では光の速さで消費されているドン・ペリニヨンですが、シャンパンにとって大きな1歩を作った銘柄です。
是非立ち止まってゆっくり味わってみてください。
Lオークションでは毎月貴重なお酒が数多く出品されます。
ドン・ペリニヨンも毎月のように出品されておりますので、是非ご参加お待ちしております。