column

お酒の等級解説<日本酒 ブランデー ワイン>

王冠 等級について 2025/04/16

お酒の等級解説<日本酒 ブランデー ワイン>

商品画像

お酒のボトルを見ると様々なデザインがあり、個性にあふれていますよね!

しかし、そのラベルはただデザインが描かれているわけではなく、お酒の味、容量、様々な内容が書かれています。

今回は酒類別の等級をまとめていきます。

 

日本酒

-日本酒の特定名称

日本酒の銘柄の横に〔純米酒〕や〔特別本醸造〕と書かれていますが、これは日本酒=清酒の製造方法や原材料による区分を示したものです。

特定名称使用原料精米歩合
吟醸酒米、米麹、醸造アルコール60%以下
大吟醸酒米、米麹、醸造アルコール50%以下
純米大吟醸酒米、米麹50%以下
純米吟醸酒米、米麹60%以下
純米酒米、米麹制限なし
特別純米酒米、米麹60%以下または特別な醸造方法
特別本醸造米、米麹、醸造アルコール60%以下または特別な醸造方法
本醸造米、米麹、醸造アルコール70%以下

〔純米〕と書かれていると醸造アルコールが含まれません。

醸造アルコールとは、日本酒の発酵の段階で添加される副原料で、糖蜜やトウモロコシを原料に発酵・蒸溜して作られています。使われる理由として、発酵段階での腐敗を防ぐため・香りをよくして味わいをすっきりさせるために添加されます。

 

米麹とは蒸した米に麹菌を繁殖させたものを言います。原料の米に米麹を混ぜることで、米のでんぷんを糖に変える役割をします。できた糖をアルコールに変えるので、なくてはならない原料です。

 

精米歩合とは玄米から表層部を削って残ったお米の割合を指します。普段食卓で食べるお米は精米歩合約90%といわれており、日本酒作りで使われるお米は70%以下まで削るのが一般的です。
〔大吟醸〕と書かれていると精米歩合は50%以下となるので、お米を半分以下まで削っていることになります。

なぜそれほど削るかというとお米の栄養素となるたんぱく質・脂質は、日本酒の雑味となりやすく、削れば削るほどフルーティで華やかな香りがたち、クリアな味わいとなります。

逆にあまり削らず70%程の日本酒は香りが抑えめで米の旨味のある芳醇な味わいを楽しめるものに仕上がります。

〔純米大吟醸酒〕は醸造アルコールが入っていなくて精米歩合も高いから良い!というわけではなく、好みやシチュエーションに合わせて選ぶのが良いでしょう。

 

〔特別純米酒〕にある特別な醸造方法

これはメーカーによって色を出せる部分であるため、どう特別なのかはラベルに表示しなければいけません。

 

■特別な醸造方法1〔生酛(きもと)作り〕

日本酒作りには非常にたくさんの酵母が必要です。

酵母は糖をアルコールに変える働きがあるため欠かせないものですが、他の微生物に弱いのですぐ死んでしまいます。

そのため酵母が生きられて、他の微生物が住めない環境である酸性にして培養する必要があります。ここで使われる菌が乳酸菌となります。

現在多くの日本酒作りでは〔速醸酛〕といって乳酸菌を添加する作り方が一般的ですが、〔生酛〕は天然の乳酸菌を使う作り方を指します。

天然の乳酸菌は空気中や蔵の壁に自生しているので、米をすりつぶした液体を使って取り入れ、培養するという作業を必要とします。

この作業のことを〔山卸し〕と言います。

山卸しは冬の寒い時期に深夜から早朝にかけて何度も水の中の米をすりつぶすといった作業であり、熟練の技術が必要な上かなりの重労働でした。

今も続ける理由として、酵母菌が力強く最後まで生きているため、余分な糖を残しません。また、お米の旨味を最大限に引き出すことができ、深みのある濃厚な味わいが生まれます。

 

■特別な醸造方法2〔山廃仕込〕

正確には山卸廃止酛といい、生酛作りの中の〔山卸し〕といわれる米をすりつぶす作業を廃止した作り方という意味です。

技術の発展によって、酵素によって米を溶かすことができるようになったため、山卸しをせず乳酸菌を培養することが可能になりました。

その他にも特別な醸造方法はありますので、見つけたら調べてみると楽しいですよ!

 

ブランデー

-ブランデーの等級

ブランデーのラベルに〔ナポレオン〕だったり〔★★★〕という表記があります。

これは銘柄名ではなく、熟成年数を表す等級です。

ですが、コニャックとアルマニャック以外のブランデーに書かれている場合は規定が独自のものであるため、確認が必要です。

ここではコニャックとアルマニャックの等級をまとめてご紹介します。

 

コニャック

コニャックはフランスのコニャック地方で作られた白ブドウを使い、単式蒸留器で2回蒸溜した原酒をオーク樽で最低2年の熟成を経たものと決められています。

熟成年数の数え方は〔コント〕という単位です。

コントは蒸溜した液体を翌年の4月1日に樽に詰め熟成していき、次の年=樽熟成1年経つと「コント1」、翌年には「コント2」と増えていきます。

表記等級コント熟成年数
VS・De Luxe・Millesime2以上2年以上
Superieur3以上3年以上
VSOP・Reserve・Rare・Royal4以上4年以上
Vieille Reserve5以上5年以上
Napoleon・Excellence・Supreme6以上6年以上
XO・ExtraOld・Horsdage・Imperial10以上10年以上

※XXOは最低14年熟成のコニャックのみに適用。

 

アルマニャック

アルマニャックはフランスのアルマニャック地方で作られたブドウを使い、連続式蒸溜器で1度蒸溜しオーク樽で熟成したものと決められていますが、樽熟成されないものもあります。

コニャックと同じく熟成年数は〔コント〕単位で数えます。

コニャックと違う点は、蒸留した液体を翌年5月1日から樽に詰めて熟成することが決められており、コニャックとは1ヶ月ずれています。

表記等級コント熟成年数
V.S.1以上1年以上
V.S.O.P.4以上4年以上
X.O.10以上10年以上

アルマニャックは熟成年数1年以上から出荷可能です。

コニャック・アルマニャック共に、表記は一部のご紹介となります。

お持ちのボトルに上記以外の記載があれば等級かもしれませんよ!

 

ワイン

ワインには国、地域ごとに等級が異なるため、抜粋してご紹介いたします。

 

■フランスワイン

フランスは古くからワイン産業が盛んで、周辺国に輸出をしていたこともあり、1935年から生産地域を守るための法律が施行されています。

管理団体:国立原産地名称研究所(INAO)

品質分類条件ラベル記載義務事項
AOP(AOC)生産地区、品種、最大収穫量、最低アルコール度数アルコール度数、栽培方法 など原産地名称、瓶詰元、住所、度数、容量
IGP品種、限定地域、最低アルコール度数 などVin de Pays+産地名 瓶詰元、住所、度数、容量
Vin de France 等フランスで生産瓶詰元、住所、度数、容量

AOPに分類されると、ラベルの記載義務事項が必ず書かれています。

例えばフランスワインの銘醸、ボルドー地方のラフィットロートシルトでしたら、

原産地名称である〔PAUILLAC〕、瓶詰元〔CHATEAU LAFITE ROTHSCHILD〕

と瓶詰したのが誰かを示す内容〔Mis en Bouteille au Chateau:シャトー元詰め〕と住所、度数、容量が記載されています。

 

お酒のラベルは非常にたくさんの情報が書かれています。

ラベルを読み込むことができれば、文字通り世界が広がることでしょう。

弊社は主にお酒の買取を行っていますが、より多くの方に古酒に興味を持っていただくため、情報発信も行っております。

Lオークションや販売店舗のSNSもチェックしていただけると嬉しいです!

LオークションInstagram▶https://www.instagram.com/l_auction2022

販売店THEOU LIQUOR Instagram▶https://www.instagram.com/theou_liquor